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旧ソ連撮影 被爆後の映像 資料館 来年公開へ 広島

 原爆資料館(広島市中区)は4日、旧ソ連の調査団が1945年秋ごろに広島と長崎の被爆後の廃虚を撮影したモノクロ映像を報道陣に公開した。6月に来日したロシアのナルイシキン下院議長が、日本政府を通じて市へ寄贈していた。同館が旧ソ連撮影の原爆被害の映像を入手したのは初めて。

 映像は計約5分で、うち広島分は約1分半。爆心地から約330メートルの広島富国館(現中区)、同1・6キロの広島貯金支局(同)でそれぞれ撮影したとみられるシーンでは一帯の焼け跡を捉えていた。210メートル地点で崩壊した広島瓦斯(ガス)本社(同)、爆心地付近のがれきのアップもある。

 資料館によると、元安川の橋脚の状況などから、45年9月17日の枕崎台風到来後の10~11月ごろの撮影とみられる。長崎では爆心地付近や調査団の姿を撮影。米国立公文書館にある米核実験の映像も含まれていた。

 同館学芸課は「映像内容は、これまでの写真や映像で分かるものだが、ロシアに旧ソ連の映像があるのを初めて確認できた。協力を得られれば現地でさらに資料を調べたい」と説明。来年2月に改装オープンする同館東館での公開などを検討する。(水川恭輔)

(2016年8月5日朝刊掲載)

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