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平和公園 対戦場消える ポケモンGO 業者が削除 あす広島原爆の日

 広島市中区の平和記念公園でスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」の対戦場所などが設定されていた問題で、ゲームの開発を手掛けた米ナイアンティック社が4日、利用者同士の対戦場所となる「ジム」と、アイテムが入手できる「ポケストップ」を同公園内から削除したことが、同社側への取材で分かった。(長久豪佑、滝尾明日香、井上貴博)

 6日の平和記念式典を控え、市はポケストップなどの削除を同社側に要請していた。同社の代理店は「市の要望を受けて精査し、不適切と判断して削除した」と説明している。

 ゲーム利用者や市企画調整部によると、公園内でゲームを使うと、4日午前にはポケストップやジムが画面上にあったが、夕方までに確認できなくなり、深夜に入っても、この状態が続いた。一方で、キャラクターのポケモンは出現していたという。

 国内でゲーム配信が始まった7月22日以降、同公園ではポケストップなどが数多く設定されていたため、若者を中心に利用者で混雑。市は同26日、「慰霊の雰囲気を失う」としてポケストップなどを削除するよう業者に要請し、平和記念式典がある今月6日までの対応を求めていた。

 式典を2日後に控えた4日夕、ゲームをしようと公園に立ち寄った西区の大学4年の男性(21)はポケストップやジムが消えたのに気付き、「まじか」と絶句。「6日は広島にとって大事な日」と理解しつつも「ここ以上にアイテムが集まっている場所はないので、またプレーできるようになればうれしい」と語った。

 一方、中区のボランティアガイド新谷美樹子さん(62)は「公園は祈りの場。慰霊に来る人の気持ちを思うとゲームはできないはず」と強調。「ゲーム会社が遊べなくしたのならいい判断。2度と遊べないようにしてほしい」と求めた。

(2016年8月5日朝刊掲載)

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