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27万人の冥福祈り「風通し」 原爆死没者名簿100冊

 広島市中区の平和記念公園で16日、原爆慰霊碑に納められた原爆死没者名簿を外気に当て、劣化を防ぐ「風通し」の作業があった。

 市職員たち18人は原爆が投下された午前8時15分、慰霊碑前で黙とう。観光客や修学旅行生が見守る中、石室のふたを鎖で引き上げ、取り出した名簿を碑前に敷いた白い布の上に並べた。傷みがないかを調べながら、丁寧に1枚ずつめくった。

 名簿は昨年より3冊増えて100冊に。計27万5230人の名前が記され、うち1冊は「氏名不詳者多数」とだけ書いてある。昨年、5785人が新たに書き加えられた。

 作業後は最後の1冊を残し、清掃を終えた石室に戻した。この1冊には昨年8月6日以降に亡くなった人や新たに死亡が確認された人の名前を記帳し、ことしの平和記念式典で碑に納める。記帳は6月中旬に始める予定でいる。(田中美千子)

(2012年5月17日朝刊掲載)

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