×

ニュース

原爆焼 廿日市で展示へ 串戸市民センター 市内の村上さん 貸す

 廿日市市串戸の市串戸市民センターは6日、広島市の原爆の爆心地近くの土を混ぜた陶器「原爆焼」の展示を始める。近くのピアノ調律師村上仁さん(73)から借り受けた。住民が平和を考える契機にと期待している。

 直径9センチ、高さ6センチの茶わん。側面に「原爆焼」の文字や短歌が刻まれている。村上さんによると、茶道の師範で宮崎県にいた大叔母が広島市長からもらい受けた後、村上さんの妹に譲ったという。

 今は広島市中区に住む妹が5月、原爆焼が福山市で見つかったという中国新聞の記事を読み、自宅の納戸を探すと「広島原爆焼」と書いた木箱の中に茶わんを発見。村上さんが「多くの人に見てもらおう」と、串戸市民センターに連絡した。

 センターは6日午後1時半からのピアノコンサートで原爆焼を紹介した後、1階ロビーで展示する。今月中をめどに続ける。

 原爆焼は原爆の悲劇を伝え、売り上げを復興などに充てる目的で福山市の団体が1950年ごろに作ったとされる。村上さんは「原爆焼を見て、平和や戦争を少し深く考えるようになった。多くの人に同じような気持ちになってもらえれば」と話す。(山瀬隆弘)

(2016年8月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ