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鮮烈の鍵盤 紡ぐ平和の祈り 広島 広響、萩原麻未と協演

 広島交響楽団の「平和の夕べ」コンサート(中国新聞社など主催)が5日、広島市中区の広島国際会議場であった。安佐南区出身で被爆3世のピアニスト萩原麻未がソリストを務め、シューマンのピアノ協奏曲を奏でた。

 ジュネーブ国際音楽コンクール優勝の萩原は、冒頭から鮮烈な音色を発し、会場を埋めた約1400人の心を捉えた。情感豊かに鍵盤をはじき、シューマンが妻への愛を込めた曲に、平和への願いを乗せた。

 スイス出身のマティアス・バーメルトが円熟のタクトで導いた。後半のブルックナーの交響曲第9番ではオーケストラが分厚く音を重ね、未完成ながら1時間を超す大作を荘厳に響かせた。(余村泰樹)

(2016年8月6日朝刊掲載)

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