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秋までに耐性評価提出 中国電力 島根2号機で方針

 中国電力の苅田知英社長は18日、定期検査で停止中の島根原子力発電所(松江市鹿島町)2号機について、再稼働の条件となる国へのストレステスト(耐性評価)1次評価を今秋までに提出する方針を明らかにした。停止中の1号機の提出時期は12月以降とし、年内の再稼働を事実上断念した。

 苅田社長は記者会見で2号機の1次評価の提出について「順調に定期検査が行われている。(ことしの)秋よりも早い時期に出したい」と述べた。

 2号機は6月に定期検査に伴う主な工事を終える。その後、地震や津波への耐性などをコンピューターで計算し、1次評価の結果をまとめる。

 一方、1号機は原子炉建物の天井にあるクレーンの耐震工事を12月に終えた後に提出する。経済産業省原子力安全・保安院の審査などもあり、停止したまま越年する見通しだ。

 クレーン工事は再稼働後の予定だったが、前倒しして5月21日に始める。北陸電力の1次評価では、クレーンが落下し使用済み核燃料プールを破損する可能性を保安院から指摘されたため、中電は提出に先立って落下防止工事を完了させることにした。ただ、1、2号機とも1次評価の提出後、保安院の審査に加え地元の同意が必要なため、再稼働の見通しは不透明なままとなっている。(山本和明、川上裕)

(2012年5月19日朝刊掲載)

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