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オバマ氏の演説評価 韓国人犠牲者慰霊祭 広島市中区

 韓国人原爆犠牲者慰霊祭が5日、広島市中区の平和記念公園内にある慰霊碑前で営まれた。参列者たちは、オバマ米大統領が5月に園内でした演説で朝鮮半島出身の犠牲者に言及したのを評価。戦争と核兵器のない世界に向けたさらなる努力を誓った。

 約360人が参列。主催した在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部の李英俊(イ・ヨンジュン)団長が、この一年で亡くなった12人を書き加えた2723人の死没者名簿を碑に納め、全員で黙とうした。米国のアレン・グリーンバーグ駐大阪・神戸総領事も参列。在広島韓国総領事館によると、米政府関係者の公式な出席は初めて。民団中央本部の呉公太(オ・コンテ)団長はあいさつでオバマ氏の演説に触れ、「わずか一言だったが深い感銘を受けた。ことしからこの慰霊祭がさらに意義深い行事になるだろう」と述べた。李団長は「北朝鮮の核開発は断じて許せない。朝鮮半島の非核化と平和定着に力を尽くしたい」と力を込めた。

 参列した被爆者の朴南珠(パク・ナムジュ)さん(83)=西区=は献花後、「現職の米大統領の訪問はうれしいこと。ただ韓国人慰霊碑も訪れ、花1本でも手向けてほしかった」と漏らした。(長久豪佑)

(2016年8月6日朝刊掲載)

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