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平和への思い 40ヵ国大使に 中区で広島市教委事業 中学生 英語で伝える

 「笑顔の連鎖が平和をつくる」「あなたのありがとうが世界を変える」―。広島市の中学3年20人が5日、中区のホテルで、平和記念式典に参列する海外約40カ国の駐日大使らに自作の平和メッセージを英語で伝えた。市教委の事業の一環。身近な体験から紡いだ、ヒロシマの若者の思いを共有してもらった。(益田里穂)

 広島中等教育学校(安佐北区)の中森柚子(ゆず)さん(14)はトンガの大使と対面。広島を訪れた米国の高校生を案内した経験を踏まえ「視野を広げ、文化や習慣の違う人々と協力することが私たちの使命」と伝えた。

 生徒たちはそれぞれ担当する大使らに、自ら考えたメッセージを披露。真剣な表情で聞いてもらった後、笑顔で握手したり、抱き合ったりしていた。

 ジャマイカとタンザニアの大使らに伝えた安西中(安佐南区)の丸岡さくらさん(14)は「この経験を機に、平和へ向け自分に何ができるか考えるようになった」と話した。

 市教委は生徒の平和への意識高揚と英語力の向上につなげようと、市内全77中学校から作文などで20人を選んだ。4~7月に5回、被爆体験を聞くなどの研修を受けた。原爆の日の6日は、平和記念公園(中区)で観光客にメッセージを書いた紙を配る。

(2016年8月6日朝刊掲載)

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