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核兵器保有「あり得ぬ」 首相、三原則の堅持強調

 安倍晋三首相は6日、広島市の平和記念式典出席後に記者会見し、「わが国が核兵器を保有することはあり得ず、保有を検討することもあり得ない」と明言した。核兵器保有を巡る稲田朋美防衛相の発言などに関する質問に答えた。

 稲田氏は、長期的には核保有を国家戦略として検討すべきだと過去に月刊誌の対談で発言。防衛相就任時の3日の会見で「現時点では核保有を検討すべきではない」と述べ、将来の検討は否定しなかった。

 首相は「核兵器のない世界の実現へ、国際社会と協力し着実に進めるのが政府の基本姿勢だ」と説明。「稲田氏の発言はこうした政府の方針と矛盾しない」と述べた。

 オバマ米政権が、敵の核攻撃を受けない限り核兵器を使わない「先制不使用」を打ち出す新政策を検討していることには、「米政府は現時点でいかなる決定もしていないと承知している。引き続き緊密に意思疎通を図る」と述べるにとどめた。

 首相は、国是とされる「非核三原則の堅持」について「この考え方は揺るぎない」と強調。平和記念式典でのあいさつでも言及した。昨年の式典あいさつでは触れず、被爆者から疑問や不満の声が出ていた。(田中美千子)

(2016年8月7日朝刊掲載)

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