×

ニュース

ファンと一体、広げるピース カープとサンフレ、本拠地で試合

 広島東洋カープとサンフレッチェ広島は、原爆が投下された6日に初めてそろって本拠地で試合を開催した。両チームの選手や観客は試合前に黙とうし、プレーや観戦ができる幸せを胸に平和を願った。

 カープはマツダスタジアムの巨人戦で、核兵器廃絶と野球ができる平和をアピールする「ピースナイター2016」を開いた。被爆体験伝承者の保田麻友さん(31)=広島市南区=が鎮魂を祈り、始球式をした。

 五回終了時は3万人を超える観客が中国新聞の緑の紙面を掲げ、内野2階席には原爆ドームと同じ高さ25メートルに赤いピースラインが浮かび上がった。新井貴浩選手(39)は「当たり前のように野球ができることに感謝したい」と神妙に話した。

 サンフレはJリーグ開幕24年目で初めて原爆の日に地元試合。エディオンスタジアム広島での名古屋戦を前に、被爆3世の森崎和幸選手(35)は「平和な世界になるよう力を注いだ方がいるからスポーツができる」と感謝した。

 観客は選手入場時に緑の平和祈念パネルを掲げた。ハーフタイムでは原爆ドームの方向へ「祈りの光」として6本のライトを照らした。広島県熊野町の会社員佐野正信さん(50)は「世代が集う場所で呼び掛ければ、平和を伝えることにつながる」と話した。(川手寿志、矢野匡洋)

(2016年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ