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核兵器廃絶 決意新た 原爆の日 福山・尾道・三原で慰霊式

 広島原爆の日の6日、福山と尾道、三原の3市でも慰霊式が開かれた。5月のオバマ米大統領の広島訪問を機に、核兵器廃絶の機運の高まりを期待する声が上がった。

 福山市原爆被害者友の会の式典は、市中央公園(同市霞町)の慰霊碑前であり、約80人が参列した。この1年で亡くなったか死亡が確認された44人を含む1261人分の死没者名簿を碑に納めた。被爆2世の藤井悟会長(69)は、オバマ氏の広島訪問について「核兵器廃絶への一歩であり、今後の行動に注目すべきだ」と述べた。

 尾道地区原爆被害者の会は尾道市東尾道の慰霊碑前で開き、約50人が参列。槙原弘会長(85)が、この1年で亡くなった8人の名前を書き加え、425人となった死没者名簿を碑に奉納した。御調町原爆被害者協議会は御調文化会館(同市御調町)で追悼法要を開き、約30人が参列。この1年で亡くなった被爆者3人の名前が読み上げられた。

 尾道地区の槙原会長は「オバマ氏の広島訪問は、核兵器のない世界を願う人々の気持ちを強めた」と話し、「今後も声を上げ続けよう」と呼び掛けた。御調の溝上泰会長(84)は「恒久平和のきっかけにしたい」と力を込めた。

 三原市では、市原爆被害者之会が同市本町の慰霊碑前で式典を開き約100人が参列。苞山(ほうやま)正男会長(87)は「戦争のない平和な社会を目指し、会の活動を続けていく」とあいさつ。新たに16人を加えた561人分の名簿を碑に納めた。

 若い世代も平和への決意を新たにした。三原市の式典で鐘を鳴らした宮浦中3年の原悠人さん(14)は「争いごとがなくなってほしい」。福山市の式典に参列した盈進高3年の塩出恵麻さん(18)は「若い世代が被爆者の思いを受け継ぎ、次の世代に伝えていく」と誓った。

(2016年8月7日朝刊掲載)

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