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広島県北の8・6 庄原で臨時病棟の88人悼む

 広島県北各地でも6日、市民たちが、原爆犠牲者を追悼する集いや被爆者の体験を聞く催しを開き、平和を願った。(山成耕太、伊東雅之、城戸良彰)

 庄原市では原爆投下直後に設けられた、山内町の臨時病棟で亡くなった被爆者88人を追悼する原爆犠牲者慰霊祭が営まれた。当時の火葬場所に立つ慰霊碑前で、遺族や地元住民、小学生約200人が冥福を祈った。

 主催する山内地区社会福祉協議会の三橋豊会長(68)が、山内西国民学校(現山内小)に広島陸軍病院庄原分院山内病棟が置かれ、1945年8月9日、列車で運ばれてきた被爆者270人の看護や支援に住民も協力した歴史を紹介。「被爆の悲惨さから目を背けないために、ここでの体験も語り継がなければならない」と述べた。

 広島市西区の正木浩子さん(78)は「消息が分からなかった父が、こちらで慰霊してもらっていると知り、毎年家族と参列している。ありがたいです」と話していた。

 庄原市仏教会もこの日、被爆者84人の遺骨が眠る東本町の宝蔵寺で追悼法要を開いた。

(2016年8月7日朝刊掲載)

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