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ビキニ被曝 苦しみの実態 広島市中区で講演会 ヒロシマ8・6

 1954年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験を巡り、多くの日本人船員が被曝(ひばく)した歴史を学ぶ講演会が6日、広島市中区であった。約80人が参加した。

 「ビキニ国賠訴訟を支援する会」共同代表の山下正寿さん(71)=高知県宿毛市=が講演した。国が「第五福竜丸」(静岡県焼津市)以外の多数の漁船の被曝について調査結果を2014年に初めて開示したことや、元船員や遺族がことし5月に国家賠償請求に踏み切った経緯を説明した。

 厚生労働省は第五福竜丸以外の元船員に健康影響が出るレベルの被曝はなかったとしているが、広島大などの研究チームは元船員1人の歯から高線量被曝の可能性を確認している。山下さんは「ビキニも広島原爆も、立証の難しい内部被曝が過小評価されているのではないか」と指摘。広島の研究者と連携して米国や日本政府に情報開示を求めていく考えを語った。

 参加した医療ソーシャルワーカー福原優子さん(26)=広島市中区=は「被曝して苦しみながら顧みられていないビキニ被害の実態を初めて知った」と話していた。(馬場洋太)

(2016年8月7日朝刊掲載)

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