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1949年刊行の広島写真集 中区で講演会

 原爆投下の壊滅から復興が始まった広島を撮影し、1949年に刊行された写真集「LIVING HIROSHIMA」を語る講演会が22日、広島市中区の県立美術館であった。約80人が、記録写真の訴える力をあらためて実感した。

 写真集は県観光協会が企画し、日本を代表する写真家木村伊兵衛さんたちが撮影。その経緯や意義を日本写真家協会の松本徳彦専務理事が解説した=写真。

 広島城跡の壊れた砲台を前に、若い男女が語り合う様子や笑顔で遊ぶ子どもの写真を紹介。「被爆後の悲惨な状況より、復興を目指した市民の生活に焦点を当てている。検閲をくぐり抜ける方策でもあった」と指摘した。

 講演会は広島の写真活用保存を考える会が開いた。木村さんたちが撮影した当時の写真は、県立図書館のホームページで3月から公開されている。(野田華奈子)

(2012年5月23日朝刊掲載)

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