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祝島「神舞」 準備大詰め 16日から 島ぐるみ 仮神殿組み立て 山口県上関

 山口県上関町の祝島で4年に1度、大分県国東市から神職を船で招いて神楽を奉納する伝統行事「神舞(かんまい)」が16日、5日間の日程で始まる。島ぐるみの準備が大詰めを迎えている。

 伝承では886年、周防灘を隔てた豊後国伊美郷(国東市国見町伊美)の人たちが京都からの帰路、嵐に遭い、祝島の三浦湾に漂着。島民に救われた礼として農耕を伝え、島の暮らしが豊かになった。以来、感謝の気持ちを表す合同祭の神舞が続いてきたという。

 神楽は33種類。7日に約80人で、舞台となる約15メートル四方の仮神殿の組み立てを始めた。9日に完成する。かつては1日で終えたが、住民の減少や高齢化を背景に3日がかりとなった。

 上関原発計画を巡る対立のあおりで1984年、88年の2回中断した経緯がある。島を挙げた準備は昨夏から。海上神事を彩る櫂(かい)伝馬船は、町が派遣した職員もこぎ手に加わり、練習を重ねている。祝島神舞奉賛会の橋部好明会長(75)は「祝島にとって神舞は特別。力を合わせ、当日を迎えたい」と話す。

 期間中、定期船のほかに臨時便も運航される。上関航運Tel0820(62)0102。(井上龍太郎)

 日程は次の通り。

 16日=入船神事▽17~19日=岩戸・祈願・夜戸神楽▽20日=出船神事

(2016年8月9日朝刊掲載)

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