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被団協60年 決意新た 長崎で祝賀会 足跡たどる

 日本被団協は8日、結成60周年記念の祝賀会を長崎市で開いた。核兵器廃絶と原爆被害への国家補償を訴えてきた歩みを振り返り、「最後の一人になっても、悲願の実現に全力を尽くそう」と誓い合った。

 全国の被爆者団体代表や支援者たち約70人が出席。田中熙巳(てるみ)事務局長(84)が、国内外での被爆証言や請願活動の写真をスライドで上映しながら、60年間の足跡を紹介した。

 田中事務局長は、核兵器の法的禁止を求める近年の国際世論の高まりに触れ、「私たちは重要な時期にある。核兵器保有国にも廃絶へ向けた草の根の運動を引き起こしたい」と強調。核兵器を禁止し廃絶する条約の締結を目指し、被団協が3月に提唱した国際署名活動への協力を訴えた。

 各地から駆け付けた被爆者も次々にあいさつした。会員の高齢化で活動の継続に苦心している団体も多いが、「先人の努力で今がある。命ある限り頑張ろう」「ヒバクシャを二度と生まないため、声を上げ続けよう」と励まし合った。

 日本被団協は都道府県ごとの被爆者団体の協議会。1956年8月10日、長崎市で発足した。ことし10月12日には、東京都内で記念式典を開く。(田中美千子)

(2016年8月9日朝刊掲載)

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