×

ニュース

オバマ氏の折り鶴 来月以降も展示へ 原爆資料館の入館者増 広島市

 広島市は、5月に市を訪れたオバマ米大統領から贈られた折り鶴について、原爆資料館(中区)での展示期間を延ばす方針を決めた。8月末までの予定だったが、9月以後も当面、続ける。公開後、入館者数が前年の同時期を上回っており、反響の大きさを踏まえた。さらに、オバマ氏の地元・シカゴで10月に開く原爆展に1羽を出品する方向で準備している。

 オバマ氏が作ったという和柄の折り鶴4羽と、来館時にメッセージを記した芳名録は、6月9日から資料館本館で展示されている。同館によると、6、7月の入館者数は前年同時期と比べて約40%増。原爆の日の今月6日は同13・7%増の9823人が訪れた。同館は「昨年の被爆70年を上回る人が訪れたのは、オバマ氏の展示の効果が大きい」とみる。

 秋に修学旅行を控えた学校からの見学要望もあり、少なくとも11月ごろまで延ばす方向。長期展示による色落ちなどの劣化も懸念されたが、現状では大きな問題が出ていない点も判断材料になった。市平和推進課は「引き続き大勢の人に見てもらえるよう、今後、期間を詰めたい」としている。

 一方、市は、長崎市と10月1~30日にシカゴで開く原爆展で、オバマ氏の折り鶴のうちの1羽を並べる予定。会場のシカゴ日本文化会館から展示を求められているという。また、別の1、2羽を9月以降に3カ月程度、長崎市に貸し出し同市の原爆資料館で展示してもらう。(水川恭輔)

(2016年8月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ