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小頭症の記録 ネガ5000枚 来年6月から展示

 原爆資料館(広島市中区)は22日、原爆小頭症患者の撮影を続けてきた広島市安佐北区の写真館経営重田雅彦さん(67)から寄贈されたネガフィルム5544枚を報道陣に公開した。資料館は、1965年から約10年にわたる記録の一部を来年6月からの新着資料展で一般公開する。

 重田さんが今月8日に寄贈したネガの撮影時期は65年12月から73年7月までで、小頭症患者に関するものは4919枚。患者10人の日常を追い、家族のだんらんや施設で働く姿を収めた。家族たちでつくる「きのこ会」の活動の様子もある。

 重田さんは写真家の故土門拳さんの門下生。小頭症患者の存在を知った65年から「核の被害を二度と起こしてはいけない」との思いで患者たちと向き合ったという。厚生労働省によると、認定患者は2011年3月末現在、全国に22人いる。

 ネガはこのほか、韓国・朝鮮人被爆者に関するものが267枚、その他358枚。

 前田耕一郎館長は「小頭症患者の記録は原爆被害の深刻さを伝える貴重な資料。保存、活用したい」と話す。新着資料展のほか、18年度に大幅リニューアルする資料館の常設展や国内外の原爆展などでの公開も検討する。(増田咲子)

(2012年5月23日朝刊掲載)

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