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胎内被爆者団体 長崎で初の集い

 母親のおなかの中で被爆した人たちでつくる原爆胎内被爆者全国連絡会が9日、長崎市では初となる集いを開いた。広島県内の7人を含む約20人が参加。「最年少の被爆者」として記憶を受け継ぎ、発信しようと、思いを新たにした。

 連絡会は2014年8月に発足し、広島市で集いや研修会を重ねてきた。今回はもう一つの被爆地で仲間の輪をさらに広げようと、原爆の日に合わせて初めて企画した。日本被団協の役員や平和活動に熱心な高校生たち約40人も参加した。

 代表世話人の二川一彦さん(70)=広島市東区=は、5都県の約20人だった会員が今では13都県の50人以上に増えたと説明し「核兵器廃絶などの運動を真に支えられる会になるよう発展させたい」と協力を求めた。

 続くリレートークでは、長崎市の胎内被爆者たちが登壇し、幼い頃の記憶や親から聞いた話を共有した。「じかに被爆していなくても、母親たちの悲惨な体験を通し、原爆の非人道性を伝えたい」との声も出た。

 連絡会は昨年夏に自費出版した体験記集の英訳、第2集の発行などを計画。来年夏には広島市で集いを開く予定でいる。

(2016年8月10日朝刊掲載)

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