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博覧会の配置図発見 原爆ドーム前身 広島県物産陳列館

 広島県物産陳列館(現原爆ドーム、広島市中区)の落成を記念して1915年4月5日から館内で開かれた博覧会「県物産共進会」の関連資料で、出品物の配置などを記した図面が見つかった。原爆資料館(中区)によると、出品目録などは残るが、配置図の確認は初めて。「当時の県内の主な産業が具体的に分かり、貴重だ」としている。

 配置図は縦40センチ、横55センチ。1~3階の見取り図上に、木竹製品、漆器、足袋、家具、祝祭具など出品物の位置が書かれている。例えば、「県酒造組合」の出品は2階の目立つ場所で、「県が酒類のPRに力を入れていたのが読み取れる」(資料館)という。

 この博覧会は、同年5月14日まで県主催で開催。県内外から多数の出品があり78万人が訪れたとされる。

 配置図は当時、佐伯郡鹿川村(現江田島市)の村長だった故前田雅氏が受け取った物とみられ、ひ孫で西区の団体職員、奥一浩さん(52)が7月、江田島市にある親類方の蔵を整理していて、2枚を発見。記念絵はがきなどもあり、計11点の博覧会関連資料を7月23日に資料館に寄贈した。奥さんは「当時のにぎわいや原爆ドームの歴史を知るために役に立てばうれしい」と話している。(長久豪佑)

(2016年8月11日朝刊掲載)

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