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米艦載機 岩国で試験飛行 市など要望 1機だけ10分間

 中国四国防衛局は11日、在日米軍再編で2017年ごろまでに米海軍厚木基地(神奈川県)の米空母艦載機59機が移転を計画する岩国市の米海兵隊岩国基地で、艦載機の試験飛行を実施した。市などの要望を受け米軍側と調整していた。

 当初は移転が計画される機種の大半を占めるFA18スーパーホーネットが飛行する予定だったが、米軍の運用上の都合で同型のEA18Gグラウラー1機に変更。午前10時半から約10分間、基地上空を旋回し、滑走路に車輪が着いた直後に離陸するタッチ・アンド・ゴーを2回実施した。

 福田良彦市長や市議、周辺自治体の職員たち約70人が、滑走路北端から約500メートル離れた「みすみクリーンセンター」で視察。市職員が騒音の最大値を測定し、1回目の飛行は電車のガード下とほぼ同じ97デシベル、2回目は94デシベルを記録した。

 市は「騒音に不安がある」との市民の声を受け、試験飛行の実施を要望してきた。だが、スーパーホーネットやグラウラーなどの艦載機は、これまでも岩国基地にたびたび飛来。また、艦載機は通常は複数機で運用するため、1機だけの飛行に「意味があるのか」などと視察者から実効性を問う声も上がった。

 福田市長は終了後、「通常型ホーネットの騒音と比べて歴然とした差はなかったと感じている。今後は艦載機の通常の運用の中で飛来情報や騒音の把握に努め、市民の不安を払拭(ふっしょく)できる対策につなげたい」と述べた。(野田華奈子)

(2016年8月12日朝刊掲載)

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