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現代と変わらぬ家族愛 呉「この世界の片隅に」展 学芸員が見どころ解説

 戦中戦後の呉、広島両市を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」と原作漫画の原画を紹介する特別展が開かれている呉市の市立美術館で11日、角田知扶(ちほ)学芸員が展示の見どころを解説した。10人が熱心に聞き入っていた。

 角田学芸員は「現代と変わらない家族愛や恋愛、戦争を生き抜いた先人への敬意が込められた珠玉の物語です」と魅力を語った。

 主人公すずが呉市の段々畑でスケッチをしようとする映画の一場面をスライドで映し出し、「当時は軍港をスケッチすることはスパイ行為とみなされていた。許可がなければ山に登ることも禁止されていた」と話した。

 さいたま市見沼区から駆け付けた団体職員井上史都さん(30)は「時代背景が忠実に描かれていることをあらためて知り感動した。絵の細部にも気を配りながら漫画を読み返したい」と話していた。

 特別展は中国新聞社などが主催し、11月3日まで。学芸員による見どころの解説は9月22日と10月15日にもある。 (浜村満大)

(2016年8月12日朝刊掲載)

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