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可部の民家から戦時の婦人会旗 戦意高揚に使う 広島市安佐北区

 広島市安佐北区可部地区の旧中原村の民家から、日中戦争から第2次世界大戦中にかけて使われた愛国婦人会旗など3旗とのぼりが見つかった。いずれも地元行事などで戦意高揚で使われたとみられる。市郷土資料館(南区)は「保存状態がよい上、現存する婦人会の旗は少なく珍しい」としている。

 見つかったのは、愛国婦人会中原村分会、安佐郡中原村主婦会、安佐郡中原村国防婦人会の3旗(縦0・8~1・1メートル、横0・7~1・1メートル)と旭日旗を描いたのぼり(縦3・6メートル、横0・8メートル)。いずれも虫食いの被害がほとんどなく保存状態がよい。

 資料館によると、3旗は1942年に大日本婦人会に統合する前の組織の旗で、それぞれ国民の貯蓄奨励などを進める会の運動で使われたとみられる。のぼりは戦地に赴く兵士の見送りで掲揚された可能性が高いという。

 曽祖父が1900~08年に旧中原村の3代目村長を務めた同区可部の主婦沢野まゆみさん(68)が自宅の蔵などに保存していた。沢野さんは「戦争一色だった村の様子が分かる。資料館に寄贈したい」と話している。(中川雅晴)

(2016年8月13日朝刊掲載)

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