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一層の安全確保要求 中国地方自治体 伊方3号機再稼働

 四国電力伊方原発3号機が再稼働した12日、中国地方の自治体は愛媛県などと連携して事故への対策を進める考えを示し、四国電に対して一層の安全確保を求めた。

 山口県は上関町の離島、八島が伊方原発の緊急防護措置区域(UPZ)の半径30キロ圏内に含まれる。村岡嗣政知事は「伊方原発は愛媛県など立地自治体の理解を得て、国の方針に沿って再稼働の手続きが進められている」と指摘。「八島がUPZ圏内にあり、引き続き住民避難などの防災対策に万全を期す」とした。

 「(再稼働は)事実として粛々と受け止めたい」と述べたのは、上関町の柏原重海町長。さらに「電力会社には安全運転を望む」とし、「万一の事故を考えて山口県などと防災訓練を重ねる。島は高齢者が多く、けがをしないよう配慮しながら進めたい」と語った。

 広島県は昨年6月、事故時の避難者受け入れで協力することで愛媛県などと合意した。しかし、避難者の受け入れ場所やルートを決めていない。県危機管理課の山田大平参事は「愛媛県から話があれば、対応策を考える」とする。

 広島市は地域防災計画で避難者の受け入れ体制の概要を定め、施設などをピックアップしている。市危機管理課は「具体的な対策に関する協議の場などがあれば、広島県や愛媛県とも連携したい」と説明する。

 一方、中国電力島根原発(松江市)がある島根県の溝口善兵衛知事は「今後の原子力規制委員会や四国電の対応を注視していく」。松江市の松浦正敬市長は「他の原発のことなので、特にコメントはない」としている。

 県西部が島根原発から30キロ圏内に入る鳥取県の平井伸治知事は「30キロ圏内は防災対策を求められている。周辺自治体の意見を尊重してもらうことが不可欠。島根原発は安全対策をしっかり講じ、再稼働は急ぐべき問題ではない」と訴えた。

 中電広報部門は「他社の発電所についてコメントする立場にないが、引き続き島根2号機のより一層の安全確保に向けた取り組みを続ける」とした。

(2016年8月13日朝刊掲載)

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