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折り鶴 真珠湾に送ろう ビジターセンター来場者にプレゼント ハワイの生徒呼び掛け

 オバマ米大統領の出身校である米ハワイ・ホノルルの「プナホウ学園」日本語科の生徒たちが、羽に平和のメッセージを書いた折り鶴を真珠湾にあるビジターセンターに送ってもらい、来場者にプレゼントする「サダコ平和折り鶴プロジェクト」を始めた。(二井理江)

 広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルになった佐々木禎子さんの折った鶴1羽が2012年9月、同センターに届いたのがきっかけ。第2次世界大戦で戦った日本と米国との和解の象徴として、禎子さんの遺族が贈った。以来、両国の子どもたちが平和メッセージを書いた折り鶴をセンターに送ってくるようになった。

 生徒たちは、それを受け、作り手側、受け取る側ともに平和への思いを共有できると、本格的に取り組むことにした。プロジェクトへの参加を呼び掛ける日本語と英語のパンフレットを作るとともに、ビデオも作成。ビデオ「Sadako Peace Cranes Project」は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で見ることができる。

 センターは13年9月から禎子さんの折った鶴を常設展示。現地に暮らす日系人らのボランティアが月1回、来場者に鶴の折り方を教えるなどしている。

 センターは真珠湾の国立公園内にあり、日本軍の真珠湾攻撃やその背景を解説する施設。湾内で沈没した戦艦アリゾナの上に建てられた記念館とともに、多くの人が訪れる。

 禎子さんは2歳の時に被爆。小学6年だった1955年2月に白血病で入院した広島赤十字病院(広島市中区)で、病気の回復を願って鶴を折り続けたが、同年10月に亡くなった。

 平和メッセージは、鶴の羽部分に英語で記入。自分の名前も書く。送り先は、Ms.Edean Saito,Pacific Historic Parks 94-1187 Ka Uka Blvd.,Waipahu,HI 96797 U.S.A.。問い合わせはesaito@pacifichistoricparks.org

(2016年8月15日朝刊掲載)

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