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被爆体験記 節目の第50集 延べ700人分超す 新日本婦人の会広島県本部

 新日本婦人の会県本部(広島市東区)が、被爆体験記を収めた冊子「木の葉のように焼かれて」の第50集を発行した。1964年からほぼ毎年編み、伝えた「あの日」の記憶は延べ700人分を超えている。

 第50集には、被爆者11人の手記や聞き書きを載せた。1人の女性は15歳の時に通っていた広島市立第二高等女学校(現南区)の教室で被爆後、避難中にへその緒がつながったままの親子の焼死体を目撃。原爆で亡くした自らの弟や妹たちの遺骨は見つからず「私にとって平和公園は大切なお墓」とつづる。

 ほかに、舞台で被爆者の娘を演じた経験がある俳優の斉藤とも子さんらの「特別寄稿」が5編ある。

 県本部は64年、原水爆禁止世界大会の参加者向けに記念品として第1集を作成。好評で続けてきたが、近年は被爆者が老い、新たな体験談を集めるのに苦労しているという。「一つとして同じ体験はない。読んで被爆の実態を知ってほしい」と願う。

 B5判、70ページで500円。2千部発行。電話かファクスで購入希望を受け付ける。県本部Tel082(263)0402。(益田里穂)

(2016年8月15日朝刊掲載)

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