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原爆文学 世界に届け 広島市中区で中学生ら朗読 栗原貞子ら直筆資料 記憶遺産に

 被爆作家3人の作品を朗読する「8・14ヒロシマを語る市民朗読会」が14日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。3人の直筆資料を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録する機運を盛り上げようと、広島文学資料保全の会などが開いた。

 中学生や大学生たち計27人が栗原貞子、原民喜、峠三吉の作品や手記を朗読した。峠の「原爆詩集」に収められた長編詩「その日はいつか」は、オルガンの伴奏に合わせ、11人が群読。民喜のおい原時彦さん(81)は、小説「鎮魂歌」を抜粋して読み上げた。訪れた約150人が聞き入った。

 栗原の詩を読んだ広島女学院大2年白井佳奈さん(20)は「(栗原の)先見性のある詩は心にぐさっとくる。世界中に広がってほしい」と話していた。

 登録を目指すのは創作ノートなどの資料。朗読に先立ち、同会顧問の水島裕雅・広島大名誉教授が記憶遺産に申請する意義を講演した。(石井雄一)

(2016年8月15日朝刊掲載)

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