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核なくそう ゲンの伝言 中沢さん 広島で訴え

 被爆後の広島で力強く生きる少年を描いた漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(73)のトークイベントが27日、広島市西区の横川シネマであった。テーマは「はだしのゲンが若者に伝えたいこと」。中沢さんは約160人に「戦争と核兵器の恐ろしさを次世代に伝えて」と訴えた。

 中沢さんは6歳の時、爆心地から約1・2キロで被爆。自宅にいた父と姉、弟を原爆に奪われた。後に漫画家となり、体験を基にした代表作「はだしのゲン」を世に出した。

 来場者は「10代が平和のためにできること」などを質問した。中沢さんは「若い人が世界に飛び出し、みんなが手を取り合って生きられる地球をつくってほしい」と強調。福島第1原発事故にも触れ「原発をなくす努力を」と語り掛けた。

 中沢さんが半生を語ったドキュメンタリー映画の上映もあった。イベントは映画制作に携わった被爆3世の渡部久仁子さん(31)=安佐南区=が企画した。(増田咲子)

(2012年5月28日朝刊掲載)

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