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社説・コラム

ひろしま鉄道ヒストリア 柳井機関区日誌 8・6 被害復旧急ぐ

 柳井市の柳井機関区資料室が所蔵する「柳井機関区日誌」は、1945年度の業務日誌だ。列車の運行状況や従業員の勤務状況などを記録する。

 同年8月6日の日誌には、次のような記載がある。「旅客列車ハ五日市折返シ 広島市空襲ニ依リ列車運転セズ」。上り列車は広島市街地に入らず、五日市駅を折り返して運行したことが分かる。さらに、「広島市空襲ニ伴ヒ当区関係乗務員中下記ノ者広島附近ニ於テ空襲ヲ受ク」とあり、職員が「空襲」を受け、負傷したことなども記されている。

 一方、こうした被害の中でも「広島附近空バク破壊橋梁修理材(枕木)運搬ノ為救援列車運転」との記述があり、少しでも早く復旧させようとした様子が読み取れる。広島の鉄道史の一端を伝える貴重な資料だ。(県立歴史博物館主任学芸員・山本智宏)

 「ひろしま鉄道ヒストリア」(県立歴史博物館主催、中国新聞備後本社共催)は、福山市西町の同館で9月11日まで。一般700円、高・大生520円、小・中学生350円。月曜休館。県立歴史博物館Tel084(931)2513。

(2016年8月17日朝刊掲載)

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