×

ニュース

焼却灰からセシウム 岡山の木質ペレット 肥料基準超す

 岡山県は29日、建材メーカーの銘建工業(真庭市)が製造販売した木質ペレットの焼却灰から1キログラム当たり最大2600ベクレルの放射性セシウム137を検出したと発表した。肥料として使用する際の国の暫定基準400ベクレルを超えており、県は焼却灰を農地に入れないよう呼び掛けている。

 県は銘建工業から自主検査で焼却灰から放射性物質を検出したとの報告を受け21日、県内3カ所の木質ペレットの販売先などで調査。木質ペレットは1キログラム当たり13~8ベクレル、焼却灰は2600~620ベクレルを検出した。

 いずれも国が廃棄物を安全に処理する基準の8千ベクレル以下だが、焼却灰は肥料の基準を上回った。

 銘建工業は北欧などの木材から集成材を生産。その過程で出る木くずを木質ペレットに加工している。木質ペレットは年間生産量1万~1万5千トンで全国に流通している。

 県林政課は「焼却灰のセシウムは健康にすぐ影響のある濃度ではない。福島第1原発事故由来であれば検出される半減期2年のセシウム134は出ていない。北欧の木材を中心にチェルノブイリ原発事故の影響があるのではないか」としている。(永山啓一)

(2012年5月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ