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平和祈る法要 アートと融合 広島市中区の寺でランプ演出

 山口市の木工作家、竹部徳真さん(28)が制作したアカマツのランプシェードを使ったお盆の法要が16日夜、原爆ドームに近い広島市中区大手町の西蓮寺であった。アートと宗教の融合で平和を表現しようと、被爆地の僧侶と協力して初めて企画した。

 直径10~20センチのランプシェード16個を並べた。丸太を2~3ミリの薄さに削り、電球の明かりが透けて見える加工を施す。「一つ一つに木目が違う。人の命の多様性を表現したかった」と竹部さん。知人の僧侶の紹介で、爆心地近くに被爆前からあった西蓮寺での発表が実現した。

 本堂に信徒たち約60人が集まり、香月優明(ゆうみょう)住職(54)がパイプオルガンを演奏。優しい光が包む中、5人の僧侶の念仏が響いた。音の強弱に応じて光量が変化する演出もあった。竹部さんは「被爆地で何があったのか、被爆者は何を思ったのか。思いをはせるきっかけになったのでは」と話した。(橋原芽生)

(2016年8月18日朝刊掲載)

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