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日本キューバ合作 48年ぶり長編映画 「エルネスト」広島でロケ 

 キューバ革命の英雄チェ・ゲバラとともにボリビア革命を戦った日系2世のボリビア人、フレディ前村の人生を描く映画「エルネスト」の広島ロケが進んでいる。19日は、広島市中区の平和記念公園をゲバラが訪れたシーンなどを撮影した。

 1941年ボリビア生まれの前村は、医師を志してキューバ革命後のハバナへ留学。ゲバラと出会い、母国の革命を目指してゲリラ戦に同行したが、25歳でボリビア政府軍に殺された。

 映画は阪本順治監督、オダギリジョーさん主演で、キューバ危機やボリビア革命の激動を生きた前村の青春に光を当てる。

 この日は、ゲバラが59年、平和記念公園や原爆資料館を訪れ、中国新聞の林立雄記者の取材を受けた様子を、ゲバラ役のホアン・M・バレロさん(28)や記者役の永山絢斗さん(27)が再現した。ゲバラが核兵器の脅威を実感するとともに、日本と南米を結ぶシーンとなる。

 長編では48年ぶりの日本キューバ合作映画という。広島では18日から21日まで撮影し、9月上旬から1カ月半のキューバロケ。ゲバラと前村の没後50年となる2017年秋の公開を目指す。阪本監督は「ゲバラと同じく見果てぬ夢を追い求めた前村の姿を伝えたい」と語った。(余村泰樹)

(2016年8月20日朝刊掲載)

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