×

ニュース

F35B 岩国基地に配備 国通告 来年1・8月 計16機

 岩国市の米海兵隊岩国基地に2017年1月、米国が最新鋭ステルス戦闘機F35Bを配備する計画について、国は22日、同市と山口県に対し「17年の1月と8月に計16機を配備する」と計画の概要を伝えた。岩国基地所属のFA18ホーネットなど既存部隊の「機種変更」との位置付けで、米国外では初の配備となる。

 武井俊輔外務政務官と宮沢博行防衛政務官が市役所と県庁を訪れ、福田良彦市長と村岡嗣政知事にそれぞれ説明した。国側は「米国が最も現代的で高度な能力を配備することは日米同盟の抑止力を強化し、日本やアジア太平洋地域の安定に寄与する」と配備の意義を説明し、協力を求めた。

 計画では、17年1月にFA18ホーネット3部隊のうち1部隊(12機)をF35B10機に更新。同8月、AV8Bハリアー部隊(8機)をF35B6機に切り替える。配備に伴い約460人の海兵隊員や家族が岩国基地へ移って来る一方、現行機とともに約330人が国外に移転し、基地人口は約130人増えるという。

 福田市長は、市民生活への影響を見極めるための騒音予測図の作成、実機で騒音を体感する機会の設定などを国に要望。機体の安全性や運用について国に照会し回答を得た上で「総合的に判断したい」と述べた。

 F35Bを巡っては、13年10月の日米外交・防衛担当閣僚による2プラス2で「国内への17年配備」に合意。米側はそれに先立つ12年12月に岩国配備の方針を表明し、ことし3月には米海軍高官が時期について17年1月との見通しを明らかにした。一方で防衛省はこれまで県市の照会や取材に対し、「米政府から正式な通報を受けていない」としていた。(野田華奈子)

F35
 レーダーに映りにくい高度なステルス性を誇る最新鋭戦闘機。米ロッキード・マーチン社が米海・空軍、海兵隊向けに3タイプを開発。米海兵隊岩国基地に配備予定のF35Bは垂直離着陸でき、全長15・6メートル、翼幅10・7メートル、最大速度マッハ1・6。

(2016年8月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ