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容認・反対 地元で交錯 F35B配備 岩国市・山口県に通告 詳細な説明求める声も

 米海兵隊岩国基地に2017年1月、最新鋭ステルス戦闘機F35Bが配備される計画が地元岩国市と県に伝えられた22日、岩国市民には容認、反対の立場からさまざまな受け止めが交錯した。国と米軍に対し、運用方法や安全対策を巡る詳細な説明を求める声も上がった。(松本恭治、馬上稔子)

 「最新鋭機と言われても、何がどう変わるのか分からない。住民に迷惑が掛からないのであればいい」。市街地の同市麻里布町に暮らす主婦本田俊子さん(75)は率直に語った。同町の別の主婦(36)は「国際情勢を考えると、万一に備えておくことは大事だと思う」と肯定的に捉えた。

 岩国基地に隣接する同市旭町。旭第2自治会の為重英雄会長(65)は「新しい機種で、米国でも使っているから安全なのでは。(配備を受け入れる)地元に対し、十分な振興策を打ち出してほしい」と容認姿勢を見せた。

 F35Bは、米国外では初めての運用となる。従来機との「機種変更」とされるが、住民生活への影響は不明だ。この日、福田良彦市長は報道陣の取材に対し、騒音や機体の安全性について国に照会する考えを示した。

 一方、国側の「機種変更」との説明を疑問視する声もある。市民団体「住民投票を力にする会」は、配備に反対する緊急集会を市役所前で開いた。参加者は「基地の戦闘能力の強化だ」「岩国を運用の実験台に使うな」と声を上げた。共産党市議団なども、配備反対を求める要望書を市に提出した。

 市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問(60)は「今後、F35Bの事故データや訓練ルート、低空飛行の有無などの情報が国や米軍から明らかにされなければ、市は配備を拒否すべきだ」としている。

(2016年8月23日朝刊掲載)

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