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核軍縮へ「宣言」発表 ひろしまジュニア国際フォーラム

 広島県内と海外16カ国・地域の若者が国際平和について討議する「ひろしまジュニア国際フォーラム」で、参加している中高生と留学生83人が23日、核兵器廃絶と平和構築に向けたメッセージ「広島宣言」を発表した。

 宣言は、核軍縮を前進させる上で核拡散防止条約(NPT)は不十分と指摘し、全ての国が新しい国際条約に署名することが必要と提言。国家は核抑止に基づいた考えに固執する傾向があるとし「世界のリーダーは相互理解と信頼醸成の努力を強め、考えを変えていくべきだ」と訴えた。

 また、被爆者の高齢化への危機感も示し、多くの人たちに広島や長崎への訪問を呼び掛けると誓った。

 広島市中区の広島国際会議場であった報告会で、代表の20人が登壇。英語で読み上げ、湯崎英彦知事に手渡した。湯崎知事は「宣言の決意をすぐに実行に移してほしい」と求め、83人を「大使」に任命した。

 広島学院高1年石川賀之さん(16)=東広島市=は「核軍縮の課題解決に向け、廃虚から復興を遂げたヒロシマの経験が必ず動機付けになる。いろいろな場で発信したい」と話した。

 フォーラムは21日に始まり、参加者は被爆体験の聞き取りや原爆資料館(中区)の見学、グループ討論を進め、宣言案を練った。24日、宮島(廿日市市)などを訪問し、閉幕する。(胡子洋)

(2016年8月24日朝刊掲載)

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