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北朝鮮ミサイル?撮影 島根・矢上高生2人 中国上空 機内から

 北朝鮮が24日早朝に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる物体を、中国上空を通過中の航空機から島根県邑南町の矢上高の生徒2人が撮影していたことが26日までに分かった。白い航跡の変化を捉えており、画像を見た専門家は北朝鮮のミサイルとの見方を示している。

 同高によると、撮影したのは、1年生(15)と2年生(16)のいずれも女子生徒。24日午前5時半過ぎ、窓側の1年生が東を見ていると、一筋の雲が勢いよく立ち上った。「しばらく上昇した後、先端が花火のようにはじけた感じ」。数分後、雲の筋は渦を巻くような形になったという。計3枚をデジタルカメラに収め、隣席の2年生も1年生に促され、スマートフォンで撮影した。

 画像を見た軍事評論家の前田哲男氏は「撮影時間と方角から北朝鮮のミサイルの可能性が非常に高い。風の影響か、飛行が不安定になったのか、雲がらせん状に乱れた写真が興味深い」と話した。九州大工学部の平山寛助教(航空宇宙工学)も「ロケットやミサイルの固体燃料がつくる雲に間違いない」とし、当時、航空機は北京の東側にあり、距離を約千キロと推定した。

 生徒らは、2020年東京パラリンピック事前合宿誘致のため、町のフィンランド派遣団に参加。フィンランドから福岡空港へ向かう便で帰国途中だった。到着後、北朝鮮がミサイルを発射したことをニュースで知ったという。

 北朝鮮は24日午前5時半ごろ、東部の咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)沖からSLBM1発を発射。ミサイルは東北東方向に約500キロ飛行し、日本の防空識別圏内の日本海上に落下した。(城戸昭夫)

(2016年8月27日朝刊掲載)

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