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　日本グラフィックデザイナー協会と広島国際文化財団（広島市中区）は６日、国内外に平和を訴える「ヒロシマ・アピールズ」ポスターのことしの制作者に、アートディレクターの奥村靫正（ゆきまさ）さん（６４）＝写真・東京都＝を選んだ、と発表した。

　奥村さんは１９７０年代以降、はっぴいえんどやイエロー・マジック・オーケストラ（ＹＭＯ）、山下達郎、チェッカーズなど有名ミュージシャンやグループのアルバムのデザインを手掛けたことで知られる。広告や舞台美術など幅広いジャンルで活躍する。

　ポスターの制作は８３年から始まり、一時中断を挟んで今回が１５作目。戦後生まれの制作者は奥村さんが初めてとなる。

　同協会広島地区は「戦争体験がない立場から平和をどう訴えるか注目したい」と期待する。奥村さんは７月の作品発表に向け、原爆資料館（中区）を訪れるなど準備を進めているという。

　ポスターは千枚を印刷し、資料館や美術画廊などで販売する。一部は広島市立小中学校などに寄贈する。（田中美千子）

（２０１２年６月７日朝刊掲載）