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「おりづる」通り原爆ドームへ 東側の一帯 店主らが命名 

パンフ作製 観光客にPR

 世界遺産・原爆ドーム(広島市中区)の東側にある通りに並ぶ飲食店の店主たちが、一帯を「おりづる通り」と名付け、観光客を呼び込もうとしている。展望スペースを備えた複合ビル「おりづるタワー」が道路沿いに完成したのに加え、広島を訪れたオバマ米大統領が自作の折り鶴を残したことを知り、命名を思い付いた。(川上裕)

 通りは、中区大手町1丁目の東西約170メートルの市道。焼き肉店「カルビ百萬」を1月に創業した柘植(つげ)則一さん(60)が命名を発案し、他の店主たちに呼び掛けた。柘植さんは「思ったより人通りが少なかった。通り全体で盛り上げたい」と意気込む。

 計13の飲食店が今月、A4判のパンフレット「おりづる通りパスポート」を3万部作った。地図や店の写真、料理の紹介文を載せ、各店や近隣のホテルに置いている。一部の店はパンフレットを持ってきた客に飲み物をサービスする特典も用意した。

 旧市民球場の移転などでにぎわいに陰りがあった地区だが、最近は新店が相次ぎオープン。約40年間のれんを掲げる小料理店「小橋」の小橋靖弘さん(71)は「市民球場がなくなり、人通りが少なくなった。新店が中心になって街を盛り上げてくれるのはありがたい」と歓迎する。

 7月に開業したおりづるタワーの集客効果を見込んだ出店もある。5月に中区中島町から移転してきた居酒屋「じょうや」の店主焏原(じょうはら)達さん(42)は「展望台と土産物店があるタワーの完成で、移転前の店より観光客が増えた」と説明。今後、各店主たちに、店頭に折り鶴を置いたり、「おりづる通り」と書いた看板を出したりするよう提案する。

(2016年8月31日朝刊掲載)

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