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大飯再稼働 首相会見 島根原発地元 評価と批判

 野田佳彦首相が関西電力大飯原発3、4号機を再稼働するべきだとの見解を表明した8日、中国電力島根原発(松江市鹿島町)の地元では政府判断への評価と懸念が入り交じった。市民団体からは批判の声が上がった。

 島根県の溝口善兵衛知事は「国民に対して直接、政府の考えを示された」と評価した。一方、島根原発の30キロ圏に米子、境港両市が入る鳥取県の平井伸治知事は「首相が言う『暫定的な基準』のみで再稼働へと動くのは、混乱と懸念が残るものではないか」と、疑問を呈した。

 市民団体「平和フォーラムしまね」(松江市)の杉谷肇代表は「国は牛の生レバー(肝臓)の提供を禁止したのに、もっとリスクの高い原発を押しつけるのは理屈に合わない」と反発した。

 中電は「再稼働に向けては安全の確保が大前提で、中国地方の安定供給に向けた取り組みを着実に進めたい」としている。(和田木健史、川上裕)

(2012年6月9日朝刊掲載)

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