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広島大旧理学部1号館を「平和考える場に」 有識者懇

 広島大本部跡地(広島市中区東千田町)の被爆建物、旧理学部1号館の保存・活用を巡り、市の有識者懇談会(14人)の第3回会合が1日、市役所であった。3人の委員が、建物を一部保存し、平和教育の場として生かすよう求めた。

 広島、東広島両市の7大学の副学長や住民代表ら12人が出席し、広島女学院大と広島商工会議所の委員がともに建物正面の玄関部分の保存を提案。その上で「原爆だけでなく、あらゆる平和を考える場に活用を」「地域の大学が連携し、平和教育や研究をする拠点に」と発言した。

 一方、市民団体「原爆遺跡保存運動懇談会」の委員は「被爆建物を可能な限り保存するべきだ」と主張。E字形の建物を「コ」の字形にして耐震補強し、被爆資料の収集・展示や、それらを生かした教育施設として活用するよう要望した。

 懇談会は今後、2、3回開く。意見を踏まえ、市が本年度内に保存・活用策を決める。

(2016年9月2日朝刊掲載)

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