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陸奥爆沈の犠牲者 鎮魂 周防大島慰霊祭

 太平洋戦争中に山口県周防大島町沖で爆沈した旧海軍の戦艦陸奥の殉難将兵慰霊祭が命日の8日、同町伊保田の陸奥記念公園内の慰霊碑前であった。東和陸奥顕彰会の主催で、遺族と関係者54人を含む約140人が参列した。(浜村満大)

 会長の椎木巧町長は「不慮の事故に遭遇し、艦と運命を共にして殉ぜられたことは痛恨の極み」と追悼の辞を述べた。元乗組員の篠原喜一さん(89)=長野県小海町=や遺族たちが焼香。篠原さんは手を合わせ、海軍の歌「海ゆかば」を独唱した。

 「参列は生き残った者の務め。後世に残るよう、来られる限りは参列したい」と篠原さん。遺族を代表して大野小郎副艦長の長男、大野忠彦さん(82)=大阪府高槻市=は「死者のことを忘れないよう胸に刻んでおかないといけない」とあいさつした。

 陸奥は1943年、伊保田沖約3キロで爆発し沈没、1121人が犠牲となった。この日、哀悼の意を込め、汽笛を鳴らして現場周辺の海域を航行する船の姿も見られた。

(2012年6月9日朝刊掲載)

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