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禎子さん折り鶴や被爆者証言 来月のシカゴ原爆展

 広島市は2日、米国イリノイ州シカゴで10月1~29日に長崎市と開く「ヒロシマ・ナガサキ原爆展」の概要を発表した。被爆して10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴など資料17点と、被害の実態を伝える写真パネル30点を展示する。オバマ大統領にも来場を要請。核超大国で、核兵器の非人道性について認知してもらう。

 会場は、シカゴの日本文化会館。禎子さんが回復を願って折った鶴3羽のほか、動員学徒の遺品の水筒などを並べる。5月に広島市を訪れたオバマ氏が児童に手渡した折り鶴1羽と、メッセージを記した芳名録の複製も展示する。

 爆心地から約1キロで被爆した寺本貴司さん(81)=廿日市市=を派遣し、25~29日に会場や州内の4大学で体験を証言。同原爆展では初めて、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)のボランティア2人による、英語での被爆体験記の朗読もある。

 シカゴ開催は2007年以来。オバマ氏の地元であり、広島、長崎両市は近く、会期や会場を記した文書を東京の在日米大使館に届け、オバマ氏の来場を働き掛ける。(水川恭輔)

(2016年9月3日朝刊掲載)

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