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「海外で学生がテロ遭遇」 県立広島大が危機管理訓練

 海外でテロや災害が相次ぐ中、県立広島大は2日、海外渡航中の学生がテロに巻き込まれたと想定し、広島市南区の同大広島キャンパスで危機管理の訓練をした。職員約30人が参加し、安否確認や家族への対応などの手順を確認した。

 研修でロンドンを訪れていた学生4人が、武装犯による立てこもり事件に巻き込まれたとの想定でスタート。職員は情報収集や家族対応など6班に分かれ、別室の家族役、引率教員役と電話でやりとりした。筋書きは事前に知らされておらず、職員は刻々と変わる学生の安否情報の確認、家族への説明や航空券の手配、報道機関への対応などに追われた。

 同大は昨年度、留学や短期研修で学生148人を米国や英国、韓国などに派遣している。同大国際交流センターの森永力センター長は「今回の訓練でさえ、情報の確認や共有、学外への対応で混乱があった。学生を送り出す側として、備えを強化していきたい」と話していた。

 訓練は、海外留学時の危機管理などを教育機関に助言するNPO法人海外留学生安全対策協議会(東京)のプログラムで、中国地方での実施は山口大(山口市)に続き2例目。同協議会の担当者による危機管理についての講義もあった。(明知隼二)

(2016年9月3日朝刊掲載)

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