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非常用発電機を搬入 島根原発 耐震性向上へ更新

 中国電力は3日、島根原発(松江市鹿島町)の事故に備え、敷地内の標高44メートルの高台に、新しい非常用ガスタービン発電機1基を搬入した。同原発の安全対策の一環で、2011年に導入した発電機を、より耐震性の高い機器にした。17年3月末までに稼働できる状態にする。

 発電機は縦8・5メートル、横4メートル、高さ3・8メートル。建設中の鉄筋3階建ての建物内に3基を収容する。1台当たりの出力は約5千キロワット。全電源喪失時に2、3号機の原子炉、燃料プールを冷却する装置や中央制御室の空調設備などに電力を供給する。燃料タンクにある560キロリットルの軽油で1週間運転できる。

 発電機は三菱重工業神戸造船所(神戸市)から運ばれた。2日は2号機用、3日は予備用をクレーンで搬入した。3号機用は17年度中に設置する。

 非常用ガスタービン発電機は、新規制基準の適合性審査の対象となる。中電島根原子力本部は「(耐震設計の目安となる)基準地震動を上回る耐震性を持つ。稼働に向けて重要な設備であり、安全に工事を進めたい」としている。(西村萌)

(2016年9月4日朝刊掲載)

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