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文豪川端が見詰めた美 ひろしま美術館 特別展が開幕

 「川端康成 珠玉のコレクション展」が3日、広島市中区のひろしま美術館で始まった。美術の目利きとしても知られる、ノーベル文学賞作家の川端康成(1899~1972年)が収集した美術品約140点を紹介。文豪が見詰めた美の世界を伝える。

 浦上玉堂「凍雲篩雪図」と池大雅・与謝蕪村「十便十宜図」はいずれも国宝。ほかに、ロダンの彫刻やピカソの素描、現代美術家草間彌生さん(87)の無名時代の絵画などが多彩に並ぶ。

 ひときわ目を引くのは、親交のあった日本画家東山魁夷の作品群。雪山の自然を幻想的に捉えた「北山初雪」は、川端のノーベル賞受賞祝いに贈られた。

 被爆者支援に尽くした広島の文筆家・田辺耕一郎からの書簡など、被爆地とのゆかりを示す資料も。川端の琴線に触れた品々が、来場者を引きつけている。中国新聞社などの主催で、10月16日まで。(森田裕美)

(2016年9月4日朝刊掲載)

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