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オバマ氏面会 核廃絶への光 日本被団協 坪井さん・歴史研究家 森さん講演

交わした言葉や思い 若者へ

 5月にオバマ米大統領と平和記念公園(広島市中区)で面会した日本被団協の坪井直代表委員(91)=西区=と、被爆者で歴史研究家の森重昭さん(79)=同=の講演会が4日、中区のおりづるタワーであった。核兵器廃絶に向け、核超大国の現職大統領が初めて被爆地を訪れた意義や対話の内容を若者たちに伝えた。(和多正憲)

 2人は5月27日、原爆慰霊碑前であったオバマ氏の「ヒロシマ演説」を被爆者代表として最前列で聴き、大統領と言葉を交わした。

 坪井さんはオバマ氏の差し出した手を握ったまま話した状況を振り返り「これはゴールでなくスタート。共に頑張りましょう、と話すと、オバマさんはサンキューと答えた」と説明。「大統領を辞めた後も広島に来てほしい」と力を込めた。

 被爆した米兵捕虜の調査に尽力した森さんは「演説で私の調査に触れてくれたので感激した」と強調。核兵器廃絶の可能性について「イエス・ウィー・キャン(私たちならできる)」とオバマ氏の言葉を借りて訴えた。

 講演を聴いた市内の高校生や大学生たち約60人は、グループ討論で感想などを発表した。山陽高3年の和田遼さん(17)=安佐南区=は「大統領の訪問は被爆者が世界に訴え続けた成果。僕たちの世代が思いを引き継ぎたい」と誓っていた。

(2016年9月5日朝刊掲載)

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