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露大統領 広島訪問を 松井市長会見 12月訪日合意受け

 ロシアのプーチン大統領が12月15日に安倍晋三首相と長門市で会談するのに合意したのを受け、広島市の松井一実市長は5日の記者会見で、プーチン氏に被爆地訪問を呼び掛ける考えを示した。米国と並ぶ核超大国のトップに核兵器使用の被害の実態を伝えるため、長崎市と共に要請する。

 松井市長は、「核兵器なき世界」の実現へ、世界の指導者に被爆の実態を理解してもらう重要性を強調。「せっかく広島の近くに来る。来ていただければと考えている」と述べ、プーチン氏への要請方法や時期を長崎市と調整するとした。

 ロシアの大統領経験者では、エリツィン氏が就任前で旧ソ連人民代議員だった1990年に広島を訪問。旧ソ連大統領を務めたゴルバチョフ氏は在任中の91年に長崎を、退任後の92年に広島を訪れた。

 両市は2008年の北海道洞爺湖サミットの際にも、当時のメドベージェフ大統領に被爆地訪問を要請した。一方、広島市は15年、ウクライナ危機などに関連して核兵器使用の可能性を示唆するかのような言動が相次いだプーチン氏に抗議文を送っている。(水川恭輔)

(2016年9月6日朝刊掲載)

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