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鉄道模型 全国で最優秀 広島城北中・高、米でも作品展示へ 

原爆の日 幻想の光で表現

 広島市東区の広島城北中・高の鉄道研究部が、鉄道がある風景のジオラマを募集した「全国高等学校鉄道模型コンテスト」で文部科学大臣賞を受賞した。原爆ドームと元安川に浮かぶ灯籠や折り鶴が幻想的な光を放つ原爆の日の被爆地を表現。平和の願いを込めた作品が評価を受け、部員も喜んでいる。(中川雅晴)

 作ったのは中学3年~高校2年の部員8人。平和の願いを同世代の高校生に伝えようと、8月6日に祈りをささげる灯籠流しをイメージした作品を約8カ月かけて制作。元安川に赤や緑にライトアップされた灯籠や折り鶴が浮かび、オレンジ色に染まった原爆ドームの近くを路面電車が行き交う様子を表す。

 根気のいる細やかな手作業が多いのが特徴。折り鶴は2センチ四方に切った和紙をつまようじで1羽ずつ丁寧に折った。粘土で作ったドームは、アーチ部分を切り分けた針金で何度もはんだ付けした。5月に平和記念公園を訪れたオバマ米大統領の人形も加えた。

 コンテストは8月6、7の両日、東京ビッグサイト(東京)であり、決められた規格で作る「モジュール部門」に応募。精巧さや芸術性が評価され、全国153校の中から最優秀賞に選ばれた。

 同校初の快挙。部員4人は、11月に米国ウィスコンシン州である鉄道模型のイベントに招待され、作品も展示される。部長の高校2年吉田亘貴さん(16)は「部員が現地を何回も訪れて撮った写真を参考に、細部にこだわって完成させた。広島の今を世界に発信したい」と話している。

(2016年9月7日朝刊掲載)

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