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福蔵寺庫裏・鐘楼 取り壊し 広島市被爆建物は86施設に

 広島市は7日、西区古江上にあった被爆建物「福蔵寺庫裏・鐘楼」が先月、老朽化を理由に取り壊されたと発表した。市は被爆建物の登録台帳から抹消し、残るのは86施設になった。

 同寺は爆心地の西約4・2キロにあり、庫裏は約145平方メートル、鐘楼は約8平方メートル。市によると、3年前から住職のいない無住寺となっており、維持管理していた地元の住民が倒壊などを危ぶみ、先月中旬に解体した。寄り合いの場として小さな庫裏を新設し、その中で鐘楼の柱の装飾の一部を保存・公開するという。

 市は解体後の8月30日に届け出を受けた。被爆建物の登録抹消は、2014年3月に取り壊された「三戸商店倉庫」(南区)以来。市平和推進課は「年々老朽化が進んでいる。保存工事への市の補助制度の周知を一層図り、一つでも多くの保存につなげたい」としている。(水川恭輔)

(2016年9月8日朝刊掲載)

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