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「なぜ国際社会に逆行」 北朝鮮核実験 山口県内被爆者ら 怒りや不安

 北朝鮮が再び核実験をした9日、山口県内の被爆者たちからも抗議や不安の声が上がった。

 岩国市原爆被害者の会の藤本伸雄会長(76)は「怒りを通り越してあきれている」と憤る。米海兵隊岩国基地にはステルス戦闘機や空母艦載機の配備計画があり、「沖縄よりも近い岩国が狙われる可能性が高まるのではないか」と懸念する。

 1月に続く核実験に県被団協の森田雅史会長(73)=防府市=は「同じ事の繰り返し。なぜ国際社会に逆行するのか、理解できない」と述べた。

 下松市原爆被害者の会の金近衛会長(73)は「国連安保理がどんなに制裁をしても、常任理事国が核を持ち続ける限り解決しないだろう」と、核保有国を特別扱いする核拡散防止条約(NPT)の課題を指摘した。

 被爆二世の会(山口市)の寺中正樹代表(54)は「腹立たしく絶対に許せない」とした上で、「南北問題の解決のためには、核兵器を持つ米国や核の傘に依存する日本の役割が問われる」と話した。(宮野史康、馬上稔子、高田果歩)

(2016年9月10日朝刊掲載)

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